シャネルno.68/月乃助
 
気まぐれな秋の風に
そそのかされた 紅の葉が
舞ってみせる


 こんな日は、人恋しくて
街へでる
舗装された道は あそこもここも
わずかに 傾いで見えて
私は、足の爪をとがらせないと
上手に 歩くことができない



 山深い路は、
誰かのおいた 小石の重なりが
人が路に迷わないように 行き先をおしえてくれる
街には、そんなかんたんな
ヤサシサもないのですね



 忘れてしまいたいことを
大事にしたいことなら なおさら
石のしたに 隠すようにおいていく
歩んだ路を もどってくるときに
それを 思い出したり
懐かしむため



 人
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