10/31/はるな
とかして父に本当のことを言いたかった。
でもやっぱり今回も言えずじまいだった。本当のことが、正しいことであるなら、わたしはきっと父にそれをすべて言えるはずだったのに。
(どんなに注意深くいたとしても)。
男のこたちにさようならを言い渡すときはいつだってせいせいする。はずだったのだが、どうしてかそんな風にはならなかった。さようならと言って、とたんに後悔したからだ。
後悔!わたしがもっとも嫌悪するもののひとつなのにもかかわらず。
なにもかももう遅かったし、取り返しがつかないのだとすぐにわかった。それでいて後悔した。生ぬるいガムをかみ続けているような感じだ。
どうしてこうなってしまっ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)