肩甲骨/
そらの珊瑚
旅の途中で
人間という乗り物を選んだ時
わたしは
翼を捨てた
翔ぶ力を失うことと引き換えに
それに見合うだろうと
思える力を
もらったはずだった
後悔はしてないが
時々背中に手を回し
翼の根元だったあたりを
撫でてみる
不完全な生物の存在が
完全なものを探している
対になるもの
たとえば 肩甲骨のような 翼の痕跡
かつて捨てられたものを
今日 誰かが拾う
対になるもの
たとえば えらのような 魚の痕跡
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