日々の暮らし/あおば
 
                 121007

共感覚の指令の下に
自転車を漕ぐと
待ち合わせの人が微笑んで
昨日の猫が舌を出す
奴は今から欠伸をして
背筋を伸ばして
何処かに遊びに行く気だなと
背中の目で見ていたが
音の描く風景が
風の描く色が
自転車のスピードで次々と変わるから
収まりきらないフレームをへし曲げて
放り投げ
青天井に拾わせた
彼はそれを美味しそうに平らげて
知らん顔して行っちゃった
空は晴れてはいるけれど
責任取る気はないだろう
漕ぎ草臥れて転ぶ前にひと休み
日が落ちて一番星が出るまでに
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