ウミネコの国/月乃助
風のしるし
群青の海は、無辺の解放区
人の言う
海の どこかにえがかれているという 境界線を追う
海鳥の巨きな瞳に
偽りは ゆるされず
線など ありはしないのです
人が来るそのむかし
鳥族のものたちは、この島にイキヅイテキタ
巣をつくり 子をなした
ここは、われらが家
同じ種でありながら
国にしがみつき わずかばかりの土地を争う
悲しい/哀れな 船が今日もやってくる
知恵のある身なら
この島を 我ら鳥族の保護区にしたらよかろうに、
緩衝地帯/共同所有 自然をまもるため
人のできることなど くさるほどあろうに、
それができぬのなら
我ら海鳥族は、この地を鳥族の自治区として
独立を宣言する
白い自由の
翼の
もとに
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