おかの上のクラウン/……とある蛙
いつからあるか給水塔
コンクリートで固められ、
一二本のピラスター(付け柱)
誰が呼んだか丘のクラウン
二基一対の給水塔
昭和どころか大正の
遙か昔の古城のよう
異様な風貌の建造物で
高さ三〇メートルの
偉容、屹立
このクラウン
ただ往時の歴史を語り、
二十面相の住み処となって
何を見つめる見張塔
見張塔からずっと
不吉な前兆を
イザヤ書とは無関係
しかし、
放射性物質の降り注ぐ
その空の下
頑丈無骨なコンクリート
何を見守るか給水塔
※西洋のタワーは人が立ち入ることの出来る高層建造物が語源
軍事目的の見張塔というのが基本である。
当初は天上と地上を結ぶ回廊的なもの。宗教的
ex.バベルの塔を見よ
人が立ち入ることが前提でないものは塔ではない。
ex.煙突など
※アジアでは仏舎利塔などに代表される宗教色が強い
五重の塔も仏舎利か
人が立ち入るための建造物ではない。
単なる器でモニュメント
いずれにしても給水塔ほどの実用目的はない。
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