届くとか届かないとかのこと/はるな
。
誰も誰にも届かないです。
そのことにいちいちずっと悲しまなければならないとも思う。いつも届くことのできるのは死だけだし、終りもはじめもない。
でも実際、はっとそういうふうに思い始めてからしばらく経つけども、もうわたしにはなにが、届くとゆうのか、それがもうわからなくなりはじめているし、だってわずかの隙間に心地よく寝床を知ってしまったからには。
ぜんぜん違ったひとというのは、あまりにも届かないひとというのは、(つまりわたしからみて)、体と精神がぴったりあますことなくつながっているひとと思う。そんなふうな性質をもったひとは確かにいて(少ないけど)、そういうひとの体にふれれば、ああ触れたな
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