届くとか届かないとかのこと/はるな
作るものは、だからどこにも着地しない。それはやっぱり、わたしがいるところの隙間から、隙間へとただ移動するだけで、あるようで、なんにもない。ださい。
愚かなのはいつも、まちがった同化をしてしまうことです。似ていると思ったり解るよと思ったりしていてもやはりこの皮一枚隔てたときの齟齬ときたら。しかもそれを知ることはない。
だからあまりにも届かないひとが安心、ぜんぜん違ったものに絶望しながら惹かれるのは当然のことで、向こうからも、こちらからも、届かないという了承のうえで対象を見るのは苦しくないから。ぜんぜん違っているのに触れたいとゆうのは、触れたいからしかないのだなと思うことができるし。それは安心。
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