しがない詩/シホ.N
 

死がない
僕は死に
想いを馳せる

僕のまわりに死がない
僕は死人に恋する
が愛といえるか

僕のまわりは真空状態
人や言葉がない
そして死がない

僕に死を
僕に死への愛を
その一端を僕の手に

僕の遅れがちな少年期
しがない死への幻想
そして夢ごこちの現実

僕のどもりがちな青年期
しがなくも考える
虚無などについて

僕という
虚構であるが
しがない歴史

僕に死がない
それゆえ僕は
死を想う


戻る   Point(3)