オートマトンの夢/梅昆布茶
彼らの安穏なしもべであることを選択したのかもしれない。
それは実現された胎内回帰願望なのだ。
僕はオートマトンの料理を食べ
適度な運動の指示に従い光のなかで瞑想に耽り
オートマトンの喜びを感受し
オートマトンの夢をみて
かすかな社会や異性への思慕の残滓を残しながら
遠くに虫の羽音を聞くように静かに
眠りのなかに埋没してゆく
それはとても穏やかで素敵な夢だろう
いつか空が落ちて来る日に僕達は
どういう夢から醒めるのだろうかそして
あの呼び声はそのとき何かを答えてくれるのだろうか
それとも夢の続きの夢を
紡いでくれるのだろうか
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