おさなごの夢/服部 剛
 
周の誕生祝いをした夜 
旅に出て、乗った列車は 
ぐんぐん加速して 
夜の旅路の線路を走る 

周がこの世に生を受けて 
「一歳」という時が
すでに始まっている  

背後に遠のいてゆく夜空の下では 
今日も、微かに背丈を伸ばして眠る 
周の小さいからだの中で 
ぐんぐん育とうとする 
細胞達のうたが聴こえる 

そうしてパパは旅先で 
瞳を閉じて、いのるのだ 

すやすや眠る君の中に 
何処までも広がってゆく 
ひとつの夢を 







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