呟き 詩と世界の等価性のことなど/るか
今時、いわゆる、詩と世界とを等価とみなすような愚か者は、そうはおられまい。どうやら、時代はそうした詩への信頼と期待とを、妄想として冷笑することがトレンドのようだ。私の場合、そのような世界そのものと釣り合ってしまうような詩的体験の記憶を想起しようとした時に現れる感覚は、西脇順三郎「天気」の経験から触発されたそれだ。
そこには間違いなく、永遠との繋がりを予感させるような朝があった。すべての境界を無化して広がる感性的な永遠のイマージュとでも呼ぶべきものがあった。
何故、かつての詩人たちが、作品と世界とを等価とするほどに、たかが言葉の営みに狂うことがありえたのかといえば、それは私たちのリアルな
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