水の時/月乃助
{引用=
天蓋は燭光の水あかり
心をてらす 後后のゆらめき
ここは、光さえためされ 路にまどう
教室の窓外に 黒光りする鱗の群れが、
古代魚たちが、泳ぎすぎる」
ありふれた放課後/の時
子供たちは、だれも疑うことをしらず
受け入れてしまった 水の域
水の学校
腕の焼印は、押し付けられたタバコの跡
少年は、あいつらに払う金のあてもなくなった 日
絶望という孤独
水のなかで流す あたたかな涙のぬくもり
もう決められた心の先に、
アンモナイトをよけながら 屋上までの階段をのぼる
水に順化した少女たちが、
幸せそうにおりてくる
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