水の時/月乃助
 
{引用=

天蓋は燭光の水あかり
心をてらす 後后のゆらめき


ここは、光さえためされ 路にまどう
教室の窓外に 黒光りする鱗の群れが、
古代魚たちが、泳ぎすぎる」


ありふれた放課後/の時
子供たちは、だれも疑うことをしらず
受け入れてしまった 水の域


水の学校


腕の焼印は、押し付けられたタバコの跡
少年は、あいつらに払う金のあてもなくなった 日
絶望という孤独
水のなかで流す あたたかな涙のぬくもり


もう決められた心の先に、
アンモナイトをよけながら 屋上までの階段をのぼる
水に順化した少女たちが、
幸せそうにおりてくる 
[次のページ]
戻る   Point(18)