コスモス/ぎへいじ
 
地面に捨てられた
おもちゃ花火の燃えがらは思い出となり

やがて

夏の命も尽きて 
土に帰っていく

雑草に埋もれかけながら
雨の無い長い夜をすごした日々は終わり

一つ二つ 花が咲き始めた
楽しそうに陽射しを浴びてそれでいて どこか寂しげに


河川敷に独り


顔を上げた俺に
今、ゆっくりと走り出した季節が花びらを揺らしているなら
前を向いて帰ろうか

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