りゆう/蒼木りん
 
わたしなら
死ぬかもしれないような
夏の昼間の部屋においてきた猫に
早く会いたくて
終わらない仕事を
泣きながらやる

あくびではないよ
眠くて倒れそうだけど
心臓が停止しそうになりながら
騙してるけど
吐き出してばかりで
息が吸えない

そんな怒りを思いだし
いつか仇討ち敵討ち

わたしの過去は
ももの種のなかに封じこめて
腐る
病院で
枯木のように死んでも
枯木のように焼かれても
わたしは100円の価値もない

わたしは
わたしを犠牲にして
まわりも犠牲にして
恨みをはらしていく
借金がなくなるまでは
死んでたまるか
死なせてたまるか

長い一日短い夜
何度でも生まれかわる
蝉や朝顔や水
今度こそ
思い出のいらないものに
生まれかわる

借金はプラスチック
紙でも生ゴミでもない
レントゲンに写るもの

戻る   Point(1)