さきっぽ/……とある蛙
山のあなたに辿り着き
人生全部吸い込んで
空に向かって叫んでみたら
先っぽ なぜか膨らんだ
どういう訳か膨らんだ
いつまで経っても捌け口は
見えぬ病のその先に
空に向かって叫んだら
先っぽだけが膨らんだ
理由も分からず膨らんだ
このまま終わるわけもなく
人生全部吐き出して
空に向かって叫んだら
やはり 先っぽ膨らんだ
哀しい姿で膨らんだ
もう一度始めに戻ろうと
人生全部やり直し
空に向かって叫んだら
そのまま 先っぽ膨らんだ
意味など無しに膨らんだ
どうすりゃ良いか分からず
も一度地道に歩いたら
空が見えずに哀しくて
そのまま先っぽ萎んでた
淋しそうに萎んでた。
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