ヘリウムガスと絶望と恋/佐伯黒子
 
さびしさとタスクバーの片隅にひかる閃光全身で雨



名付け/ず/に//季節/を/過す////青春/////の/区/切り/を憂うこ/と/の/な/き/よ/う



カーテンやライトをすべて換えたいと感じる午後の動けない脚



床じゅうに散らかる靴下ペア探しひとりぼっちのかなしいさだめ



ターコイズ黒の隣接さるならば形見を持てと云う母よ



忘れたい二階の窓とちいさな刃 なかない君のなかない深夜



自己満を蹴り上げる脚「これで満足すればいいのに」



頂に落ちたこころを拾うたび怯えうかがうしらないひとの目



月を追い地球のはしで散る風船 ヘリウムガスと絶望と恋



わたしたち別の荒野に立つけれど、あなたのことばでわらえているよ
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