平和ボケ/中山 マキ
燃える空は急かせない
そこに生まれる黒い鳥
連れ去るもの
連れ去られるもの
何もかもを後ろ背に
窓辺からのささやかな風が
ゆっくりと眠気を覚まし
扉をしめるこの目に降る夕立に
濡れたまま立ち尽くす
流れずに留まる不安
時間が過ぎればゼロになる
そんな夕日に騙されながら
解けていく真実に足を組み
見る見るうちに馬鹿になる
例えるなら、
味のないガムを噛み続けたまま
朝飯を口にしたことも
忘れていく空腹のチンピラさ
とめどなく許される危機に
甘え腐っていくだけ
戻る 編 削 Point(1)