慶松平にて/Giton
 
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見る風景 見えない人
見える風景 見ない人
きみは風景を見ているか
風景はきみを見ているか

こんなにも草は伸び木は腐り
絡み合う根と逃げる水
人は風景を忘れるが
風景は人を記憶する

誰も昨日のままでなく
花も開けば実も零れ
人は風景に迷い込み
風景は人を捉え込む

倒木は難破船のように朽ち
草丈は人の姿を覆う
人には人が見えないけれど
風景は人を見ているらしい

いつか風景に喪われ
いつか風景と混じり合う
そんな時間の憂鬱を
曇り日がじっと照らしている
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