八月は花の葉月/小池房枝
外れて住んでてさびしい
七草の撫子小さな鉢植えが花屋にたくさん並んでいました
天神のビルの谷間でクスノキはロープで大事に支えられてた
夕刻のアスファルト赤い百日紅ばたばた落ちてる暑かったんだね
夏枯れのアジサイのかげの紫はクズかな処暑をすぎて咲いたか
秋されば金木犀のにわたずみ夏にはエンジュを踏みしだき行く
ムクゲ、ユリ、アサガオ今日は真っ白な花ばかり目に飛び込んでくる
一昨日と昨日たくさん咲き過ぎたアサガオ今朝は力を溜めてる
田を渡る風をよしと思う水稲の生育つつがなきゆえにこそ
仄暗く光る緑の星数多落ち転がってる山栗の小道
葛の花 日ごとに落ちて色あたらし 翁のゆきし道はどの道
九州は玄界灘の壱岐の島を訪ねた際、裏道の山道を登りつめた先に、思いがけず釈迢空/折口信夫の歌碑を見つけて驚いたことがありました。ややこしい農道を辿って洞窟に蝙蝠を見に行った先の出来事でした。
葛の花踏みしだかれて色あたらしこの山道をゆきし人あり
戻る 編 削 Point(4)