八月は歌の葉月 人と人外の巻/小池房枝
もドアでここへおいでよ
空も星も可哀想なんて、ああなんて、なんて大きなお世話なんだろ
ラプンツェル窓ではなくてドアの鍵をあげるよ自分で歩いておゆき
まっくら森シュバルツバルトの梢遥か高みにも星の空があるだろう
夏は部屋に水を張りたい足元に波音ジャブジャブさせて歩くよ
奈良の夏つぶらな瞳の猛獣のシカ煎餅への意志衰えず
初物の梨スズムシとコオロギも喜び勇んで皮をしょりしょり
一生に足る恋はもうしたのかな したけど鳴いているのかなセミ
大騒ぎされてたハエトリグモ一匹 手に受け止めてオフィスの外に
鉄道の廃材造りの飲み屋にて見つけた枕木 耳当ててみた
寝そべってヒトとおんなじかっこしてあんたも一冊貸したら読むにゃ?
ワンコinドリンクセールの自販機のかげでは小犬がお昼寝中です
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