空を見る/
服部 剛
銀行ATMの画面に映る
貯金残高の、底が見えた時
日雇いの如き自分に
歯軋りをしながら
この手を額にあてて、考える
一日の労働を終えて
家に帰れば迎えてくれる
妻と子のあどけない笑みに
どうすれば応えられるかを――
息を吸っては吐くように
一月の稼ぎが
そのまま吐き出されてゆく
生活の底辺から、俺の詩よ
青空に顔を向けてのびあがれ
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