四四年の因縁/……とある蛙
 
見る時間が多くなってきた。
終了間際
これでもかとアステカの末裔は鉄槌を下す

笛が吹かれたとき
あのときボールを奪われた若者は
呆然と立ち尽くし
腹から悔しさを絞り出し
声にならない叫び
聖地の芝で吐き出す。

もう一度立ち上がって
隣に勝たねばならない。
兵役免除の目的のある隣人が
様子を窺っている
泣いている暇はない
もう一度立ち上がれ
平和ぼけしていないことを
示さなければならない
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