そっと/竹節一二三
 
きみは
わたしのように怠惰ではないから
ひとりだけ
おとなになってしまった

きみに
あいたくてあいたくてあいたくて
なみだがでるけれど
かりそめに
いきるわたしは
きみの思い出にふれるだけ

にじむような わたしに
きみは確かすぎるから


あした
もしあしたが
きらめく夜空であるなら
ほそい糸をたどって
きみに会いにいこう

ゆらがずにいられるよう
すこしの嘘をわたしにまぜて
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