I'm hungry/アオゾラ誤爆
うな甘やかな微笑み。
それをぼうっと見ていると、ひどく腹を空かせたけもののような気分になる。むしろそれは、見られているという作用かもしれない。私は彼をほしくなる。それでいて手を出せないおくびょう。待たれている、という圧力。どうしてもほしいものに、貪欲に牙をむくということ。それにまつわる呪縛で、いつも泣き出しそうになる。
好きなひとの顔を見られない。そんなふうに書いてしまえば、ほほえましい少女の苦悩かもしれない。でも私の感情は、少なくとも、そのようにくすぐったい類のものではないような気がしていた。もっと、壮絶で、身体ごと揺さぶられるような、葛藤なのだった。
のどぼとけが動くのを見
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