クレヨンの国/マーブル
忘却の城そこに幾千の鳥がみえた
ハスキーボイスの列車の合図がよなよな光っている
あてのない景色に空白の深呼吸が漫ろにわすれさられても
息を飲むようなリグレットに寝汗がとめどなく流れる 青い森がひらけていた
私はクレヨンの国に住んでいる 不確かなおもいでの奥で
ひとりよがりの日々の砂時計ひっくりかえしては
繰り返される感触の無いありったけの季節の匂いを心臓の小瓶に詰めていた
君をクレヨンの国に招待したら 確信に変わり始めた記憶の塔だ
あっ 白紙にもどされそう あぶないから降りておいでと不安にかられた
思春期を君は
ため
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