ラット/
シホ.N
僕はラット
科学とやらに
利用され
数字になって
グラフになって
それでも名も無く
ひとつのすてごま
モノを扱うヒトの手
神の手
ヒトでもモノでも
ない命として
ガラス箱の中でさえ
観察物にされてさえ
生かされてる意味
被験後の
余りの生は
保障もなく
ふと気をぬくと
呼吸も拍動も
止まるくらい
僕の身は退廃している
僕はラット
使われ
試され
ヒトのため
名も無き生を
たどることの
名状しがたさ
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