アスピリン・ソング/由比良 倖
 
君たちは分裂して数を増やす君たちは分裂して夢を数え上げてく、
何しろ満足しない方法を覚えたときから、
君たちは足を増やして切り落として、
切り落とした足を食べて生きているんだから、
そのために指の骨を折れば、金色みたいな心象的な、
神経症の雨が頭の後ろで降り続けるんだ、

ばらばら、
ばらばら、

窓を開けないことを学んだときから君の部屋中の壁は窓枠だらけだ、

まだまだ騙して手を翳して騙りつづけるの、
全ては失われていないのに、
あなたは浮き足だった空気の中でいつまでも病気のまま、
ただ私を騙し続けて、
ただ私を騙し続けて、平気で静かな、
沈静剤みたいな歌を歌い
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