涙はイルカになる/マーブル
 
涙は跳ねてイルカになる
そして旅に出るんだって
浴槽のなかで
そう思っていたこと
未だ信じている


真夜中に飛んでいる
飛行機の音を聞きながら
ふと思ったこと
きみのいない世界って
どんな世界かってこと


わたしはきっと夢現に
風の便りを見るのだろう
枯葉が落ちる瞬間や
雲の動きの速さや
月が傾いてゆく時間とか
サボテンが眠っている間にゆっくりと花開くときや


どんどん空間が
海に溶けてゆくことを
予感している
涙の産まれた世界へと
産声の場所へと


そしたらわたしは


シュガーな海水浴でもしようと思う


夜は流星雨
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