テレビデオガール/魚屋スイソ
かツイッターとかスカイプとか、違うんだよね、日記や呟きが毎日更新されていくのを見ると、ああ、人間、いるな、って、なっちゃう、片手がスカートの中に潜り込む、すかさずカメラがローアングルに切り替わる、ネットの関係ってあくまで始まりから終わりまでバーチャルでさ、そういうハンドルネームのキャラクターがインターネットの中にいるだけ、白いレースのパンツにノイズが雑じってくる、サイト相互リンクしてても、個室のチャットルームもってても、一度風化がはじまったら、あっという間に塵になって、思い出した頃には、ビデオが途切れて、彼女の顔が砂嵐で覆われる、なんで、こんなこと話してるんだろうな、その子、喘ぎ声、すげーかわいかったんだよ。
三本目を再生している途中で寝てしまったらしい、目を覚ますと、彼女は顔だけ残していなくなっていた、ブラウン管を抱えて外に出る、駅までの道を戻る、みんな手にもつ端末を操作している、小型化や薄型化は、だめだな、被れないから、バレる、パンツとか、簡単に見れそうだし、地下鉄のホームへ続く階段から、機械熱と体温の風、東京は、だれにも会えない。
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