バス、バス停、水の中/はるな
宿っている。決められない、という苦しさ。それは、これまでわたしにはきちんと理解しがたいものだった。だって、生きてゆくということは、選び抜いてゆくことだし、多くのものが、早い者勝ちなのだもの。というのが一つと、もうひとつは、選ばれる立場であったということ。より良いものに選ばれるために、よりよい状態で選ばれるために、わたしはわたし自身を整え、精神や心を向ける。選ばれない苦しさ、というのももちろんありますが、それは苦しさというよりかは悔しさで、自分に向けられるもの、終わってしまったものへの悲しさとか。
選ばれる側というとなんだか傲慢なかんじがするけれども、それは選ばれないことの連続であるということ
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