七月の軌跡/
御笠川マコト
梅雨の中休みの蒸し暑さは
腹立たしいほど
中途半端だね
私鉄の駅前で
でこぼこのアスファルトを
電動車椅子の君が
細い体を左右に揺らしながら
歩くように?進む
離れているから
聞こえないんだろうが
べたつく僕の頬に
モーターの振動が
確実に届いている
底の擦れた僕の革靴も
踵を踏み潰した高校生達のローファーも
地面に立つことの無い君のスニーカーも
でこぼこのアスファルトの上を
ぎこちなく移動しながら
向かうのは
迷いのない八月
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