紫陽花のうた/そらの珊瑚
さみだれている庭
ひと雨ごとに、育つ緑がここにある
雨の匂いと土の香り
湿気は、ほんのささいなセンチメントも
美しくふくらませる
庭を見渡せる屋根付きテラスで
濃く煎れた紅茶を飲んでいた
そしていつの間にか
うたたねをしていたらしい
◇
私の白いエプロンの裾を引くものがある
なに?
見るとそこには、羊がいた
も こ も こ の ひ つ じ
掌の乗りそうなミニチュアの羊の群れに
取り囲まれていた
みんな私の顔をじいっとみつめている
あ な が あ き そ う
白い毛糸玉みたいなその一匹を
私はひざの上に乗せる
「メ
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