真白髪/
そらの珊瑚
言えなかった
あの頃彼女のことを
一番の仲良しだと思っていたが
実は少しだけ
憎んでいた
探してまで
私の白髪を抜こうとする
私にはない
真心を持つ彼女を
あの頃
真人間
真正直
なんていう言葉を前にすると
自分がそこからはじかれるんじゃないかと
落ち着かない気持ちだった
その点
今の真白髪は
探す手間など要らない
私にとって
誰にも指を指されぬ
正真正銘の
押しも押されぬ
真実である
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