6/16/はるな
もちろん夫のことを愛していない日もありましたが、夫のことを愛している日には、ひとつの揺らぎもなく、それは愛でした。誰にでもそれを言うことができました。ただそれが、あの日、誓いを立て、多くのひとから、愛し合っているさまを賞賛されると、わからなくなってしまうのです。それはわたしをわずかに悲しませます。愛は誓うべきものではないとおもいました。そしてまた、わたしたちが誓ったのは、愛ではなく生活なのだなとおもいました。それは愛とは違って、おたがいのやさしさや思いやりのうえにつくられる建造物だからだ。
ひとの性格というのはたしかによく変わるものです、しかし、性質は変えがたい。わたしはそのことを知っています。だから楽しむこととあきらめることを学びました。きっとそうです、これからもわたしは予測できないままおろおろと過すのです。それがわたしにできるただひとつの予測です。
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