a ice air ship/Akari Chika
白いミルクに 足先を浸す
グラスに浮かんだ 臆病な飛行船は
午後の温度に溶けていく
飾りだけの生活や
苦し紛れの性格に
飽き飽きしたころ
夏の気配を感じた
ノートの罫線に陽の光が差して
十字の欠片が生まれ、消える
あの音楽はいまごろ
どんな人に
愛されているのかな
調べを述べるほど
心は漂着する場所を求めていない
誰彼かまわず
ことばの脈は継がせない
わたしを隠して
この大きな雲の下に
窓から見えるわたしをどうか見つけて
上手に隠してね
幹の皮がはがれていく
衣服は落ち葉のように
足元で吹き溜まりになっていく
風が止んだら
そこに
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