最終考察あさき 前夜祭 -幸せを謳う詩-/只野亜峰
 
燃え上がる恋を静かに暖める男女と、信じていた夫に裏切られ一人残された母というなんとも言えないフレーズに変容するわけです。あらま、酷い話だね。

 そして、最後の「静かに」のフレーズ。ふぃるむが焼ききれ「幸せになるために」全てを忘却の彼方へと追いやった彼女は、眠るぼうやちゃんにそっと手を差し伸べます。彼女にしてみればぼうやちゃんというのは夫と幸せに過ごした日々の残光としての愛娘。そして、そんな愛娘を失った彼女にとっての支えであり、最後の希望なわけですね。愛しき夫の思い出と、亡き娘の存在と一気に押し付けられてぼうやちゃんはたまったもんじゃありません。しかしながらこのぼうやちゃん一体どこから沸いて出
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