最終考察あさき 前夜祭 -幸せを謳う詩-/只野亜峰
 
 比喩や暗喩を多分に使う歌謡曲シンガーソングライターの存在等というのは昨今においてたいして珍しくありません。歌謡曲はもはや一本のロードムービーの如き世界観を童話の如き簡略化を経て一般大衆庶民に愛されるように大量の添加物を込められた食世界でいうJAPANカレーライスと化していっていると言っても決して過言では無いでしょう。しかしながら、この「あさき」というアーティストだけは別格なる存在であります。男塾で喩えるのなら大豪院邪鬼、ミスチルの桜井がスライムベスだとすれば大魔王ゾーマに匹敵するほどの存在感と厨二力と病的メンヘラセンスを兼ね備えた20世紀最後の砦でありましょう。あくまで我々の業界での話ですが。
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