最終考察あさき 前夜祭 -幸せを謳う詩-/只野亜峰
るに彼女のストレスの原因は夫との死別である事が読み取れます。しかしながらよくよく読み解いてみれば夫の死を臭わせるフレーズは冒頭の一節だけで、映写機が回るのはその後の彼女の回想であるわけです。時系列的に見て冒頭部分は映写機の写す回想の後の出来事でしょうから、云わばこの曲の語る物語のラストシーンであるわけですね。最初からクライマックスとか少年誌じゃないんだから。つまるところ冒頭のシーンでの彼女はもうすでに"違って"しまっていると考えるのが自然なわけです。こうなってくると夫の死別という事柄にすら疑念が生じてきます。
よく男を作って逃げ出した母親や、女を作って逃げ出した父親の事を子
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