ぼんやり/そらの珊瑚
 
雲をながめたり
雨をながめたり
次第におおいかぶさる
暗闇の手をながめたり

そのたびに
母に
「またぼんやりして」
と言われた

私は
実にぼんやりした子どもだったのだろう

今思うと
あれはあれで
何かの
つじつま合わせだったような
気がしてならない

私がわたしであるために
隙間を
ちょっと開けておく
といったような具合の
ぼんやり


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