天文館の時計/
高濱
工場の螺旋を切る黄昏時の産業機械ばらばらに捻れたる彫像立たしめて
工業機械展に完璧なる円弧を描画せる美術家ありぬ機械の勝利として
電球の裡の研究室アメリカの腕が詩を書き原子時計と鼓動せり
死後の額縁に飛ぶ蝶の翅は青斑骸布を纏ひ踊れる骸骨の皇帝
天使の午睡愛の時は去りぬ葡萄酒造りの樽転がしてゆく労働夫
「百の悪夢をたったひとつの物語に編み込む運命の三姉妹よ、ぼくの鳥を何処へ閉じ込めた」
青の悪魔微笑み給ふ十字架に一瞥の後燃え上る柘榴を掌に
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