木走り/
阿ト理恵
たちまちに走る いわば きみに
余白はない
断片ばかりか
木っ端みじんに インクを塗りながら
やってくる
枝は
そらつかい
か
ほらつかい
木が森をかくす前に
ふるい根は
なにものでもなく
すべて
だしぬけに
あたたかな息をして
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