道 /服部 剛
 
なぜか知らぬが 
私の目の前には 
日々ひとつひとつの穴が、ある。 

この両手に盛ったやわい土で 
一日、ひとつの穴をふさいで 
一歩ずつ、歩いてゆくならば 

ふりかえった背後に、いつか 
霞のかかった遥かな昨日の方角へ 
夢の一本道が 
吸いこまれているでしょう 






 
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