遠い昔のバーのスツールに腰掛けて/
……とある蛙
蠱惑的な色合いを持ち
一口含むタイミングさえ失わなければ
一気に喉を滑り落ち
そのまま胃の腑へ落下する
その後訪れる酔いと惑乱
今を破壊する仕組みだったとは
今の今まで気づかなんだ
心地よい酔いと惑乱の中
他愛のない話が次第に
BGMのように頭を巡る
そのまま帰るのには惜しくなり
後で思い出す訳も無く
寝穢く スツールに胡座をかいて
沈没する
宙空から伸びた
[毛むくじゃらの腕]に鷲掴みにされて
昇天する。
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