後悔が滲んで失われるまでに/中山 マキ
 







あじさいの群れる香りが
疎ましい
あなたの腕に顔を埋めてみても
昨日までの今日は
曲がった心の先で
口の端を上げて笑ってる

謝るだけで叶うのならば
艶のある、あの木蓮のような
頬を伝う涙を
上手に受け止めることが
出来たはずなのに

ありのままという純粋さが
しまい忘れた言葉に影を落とす
何処かに消えてしまったものこそが
正義だったかのように
私は私を生き抜くために
明日を美化する
そして
誰かを蔑ろにする





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