官能の夢・枯葉の渦/高濱
 
「魂は何処へ行くのでしょうと、神父様に尋ねました。
解らない、今や誰も解らないと神父様は仰いました。
壊れた向日葵が黒く咲いていました。
主に頼み、祈りました、私の病を取り除いて下さい。
悪魔は哂って仰いました。貴方の物は貴方に帰るでしょうと。

ああ、天地が分轄し、十二月の後の十三月は、
蛇に咬まれて踵に打ち砕く、無花果の稔る黄昏の、
水盤に浮く方位磁針が、私自身を指し、その罪を、裁いて下さい。

私への告別、召喚状が警邏官に携えられて、
エデンの河を昇って行く、花々は黄金色に咲き、
小舟は流れる銀髪の水面を滑って行く。
恐ろしいその言葉を聞く為に、私は拡がって、

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