シークレット/寿
よぎっていく
いくつかの名前に戸惑いながら
アンドロメダ星雲はどこかな、と指先でさがす
大丈夫だよと言ってもらいたくて
わざと鍵を失くしたこともあったと思う
そういう弱い部分なら、鏡にだって映ってる
確信があったのに信じてあげられなかったこと
見えないものにすべてを託してしまったこと
結果は目に見えていたのに
それでもまだ、忘れられなくて困っている
そうだ
そうだ
涙が出るくらい、抱きしめてあげればよかったのに
星の終わりかもしれないけれど
別の宇宙の始まりだったかもしれないのに
そこでま
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