小さな森/そらの珊瑚
おじいちゃんと森で薪を拾う
僕が手当たりしだいに
背負子に放りこんでいると
そいつはまだ早いと言う
幹を離れてまもない小枝は
水分を含んで
みずみずしい
生木の範疇を出ないものは
ぶすぶすとくすぶるだけで
役に立たないと言う
とりあえず拾っていって
家の庭に置いておけば
いいんじゃないですか? と聞くと
いいや、それではだめなんだ
この森で乾いていく時間こそ
大切なのだから、と言う
おじいちゃんのシワだらけの顔をみつめる
だいぶ乾いてきた様子に
おじいちゃんはまだ生木ですか? と尋ねてみる
触ってみろ、と差し出された
おじいちゃんの手は
だいぶ
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