不条理な愛は、時として愉快/中山 マキ
ベクトル、それは常に上昇志向
謂れもない理想像
彼らは僕の嫌悪を気付くはずもない
何故なら僕はこれほどまでに微笑んでいるのだ
この世の不条理ってものは
綺麗な心であればあるほど
無作為に誰かを傷つけている
あれと同じか
偽善ぶって手を差し伸べて
後から知らん顔する陰険さと比べれば
人生の勝ち負けに拘っている君のほうが
実はよっぽど正直者なんだろう
だから僕は君に恥じないように
君が圧倒的に誰かに負けていても
腹の底から笑ってあげるよ
机を叩いて涙を流しながら
笑ってあげよう
そして君だけを見ているという
不条理さに時に酔いしれ
気が向いたら愛を語り合おう
それが世界平和に繋がらなくとも
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