蕾という空間/無限上昇のカノン
 
柔らかく温かい蕾の中で微睡む
光が 磨りガラスのような花弁(はなびら)をすり抜け
優しく降り注ぐ午後
そろそろお茶の時間 アフタヌーンティーを気取って
薔薇の庭園で繰り返される儀式
意味のない孤独

永遠に生きるのは 神の呪い
パラダイスの門をくぐるのは 神の恵み
似て非なる 2つの主張に
飛び降りてみたら? と ラプンツェルの塔を指差す
私の心は冷めているから


蕾の中の微睡の時間
現実から目を背け
白昼夢に手を伸ばす
指の間から零れ落ちる世界観
永遠の課題は解決しないまま 
蕾に守られ 知らん顔を決め込む



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